☆この記事はこのような人におすすめです。
・村山聖(さとし)棋士の死因となった病名を知りたい。
・村山聖棋士をモデルにした映画について知りたい。
・村山聖棋士のプロフィールを知りたい。
29歳で急逝した魂の棋士・村山聖(さとし)氏の特集が、フジテレビ「土曜プレミアム」の【栄光なき天才たち~名も無きヒーローに学ぶ幸せの見つけ方~】で放送されたことがあります。
生前、天才と称された村山聖(さとし)氏は、無敵の王者・羽生善治と互角の勝負を繰り広げていました。
しかし、村山聖氏は将棋の世界で戦うとともに、ある病気とも闘っていたのです。
村山聖氏の病気とは、幼いころからの「ネフローゼ症候群」と「進行性膀胱がん」。
手術をしなければ「余命6ヵ月」と宣告されていたのです。
ただ、これらの病気は手術で腎臓と膀胱を摘出し、一時は回復していたのですが、「がん」は再発。
村山聖氏の死因は、「がん」が再発し、転移していたことです。
「がん」の再発が見つかった際、1年間の休戦と療養に専念する旨を発表したのですが、その5ヶ月後に29歳で永眠してしまったのです。
わずか29年という短い生涯を送ることとなった村山聖氏。
病と闘いながら、全力で駆け抜けた29年の生涯を実話にした映画「聖の青春」が2016年11月に公開されたのです。
そこで今回は、天才・羽生善治を追い詰めた伝説の棋士・村山聖(さとし)氏について、迫って行こうと思います。
村山聖の死因の病気と余命6か月について
村山聖氏は5歳の時、医師に「ネフローゼ症候群」にかかっていると告げられました。
この当時、ネフローゼ症候群の治療法は安静にすることが一般的でしたが、村山聖氏は病院と療養所の入退院を繰り返していたといいます。
ネフローゼというのは、尿と共にタンパク質も排出されてしまい、それに伴い、体のむくみが生じてしまう病気です。
むくみのあるうちは塩分を控えるなど、食事制限が必要となるので、村山聖氏は幼少時から好きなものを食べることも出来なかったそうです。
将棋はこのときの入院で覚えたといい、将棋の魅力にひかれた村山聖氏は13歳のとき、単身大阪へ向かい、プロ棋士の森信雄の内弟子となりました。
異例の早さでプロ棋士となった村山聖氏。
その後にはトップ10人が在籍するA級八段に昇級するのです。
ところが、病気のネフローゼ症候群を患う村山聖氏にとって、対局で体にかかる負担は大きく、対局が終わると決まって高熱を出すようになっていたといいます。
1997年の春、そんな村山聖氏に突然悲劇が襲います。
それは、「進行性膀胱がん」が見つかったというものでした。
手術をしなければ余命6ヵ月という宣告に、村山聖氏は思考を鈍らせるので抗ガン剤の投与と手術を拒否。
幸せな結婚をして子どもを作るという夢を持っていた村山聖氏にとって、膀胱を取り性機能もなくなるのは耐えられなかったのです。
しかし、医師が説得し手術を受けることに。
手術は片方の腎臓と膀胱を摘出するという、8時間半の大手術でしたが、その後1ヶ月で復帰して対局をしているのです。
翌年春、死因となった「がん」の再発・転移が発見されます。
その後、1年間の休戦と、療養に専念する旨を発表したのですが、休戦するまえには宿敵・羽生善治との最後の戦いが残っていたのです。
歴史ある「NHK杯」の決勝で、ライバル羽生善治と対戦した村山聖氏は、惜しくも敗退。
通算6勝7敗、これがライバル羽生との最後の対局となったのです。
村山聖氏の葬儀は本人の希望により家族のみで行い、葬儀終了後、その死が将棋界に伝えられ、大きな衝撃を与えることになります。
日本将棋連盟はその功績を讃えて、逝去翌日の8月9日付けで九段を追贈したのでした。
村山聖(さとし)のプロフィール
・1969年6月15日生まれ
・広島県安芸郡府中町出身
・父親、母親、兄、姉の5人家族
・府中町立府中学時代、森信雄棋士に弟子入り
・1986年11月5日の17歳時にプロ入り
・段位(九段)
・一般棋戦優勝回数(2回)
・通算成績(356勝201敗)
・1998年8月8日(29歳没)
村山聖の映画 聖の青春は松山ケンイチが本人を演じる
村山聖氏の生涯を描いた「聖の青春」が2000年に出版され、2016年の秋に映画化されることになりました。
主人公・村山聖氏を演じたのは俳優・松山ケンイチで、映画「聖の青春」では役作りのため、数時間おきに食事をしていたことも明かしています。
※村山聖氏を演じた松山ケンイチ
一方、村山聖氏の最大のライバルである羽生善治を演じたのは、東出昌大。
今なお、棋界の頂点で活躍する実在の人物という難しい役どころを、徹底した役づくりで見事に演じたのです。
両者による緊迫感&臨場感溢れる対局シーンは、本作の最大の見どころ。
松山ケンイチは、死因となった「進行性膀胱がん」を発症するシーンや「余命6ヵ月」と宣告されたシーン。
抗がん剤・放射線治療が脳に悪影響があるので、将棋に支障が出ては困るという理由で拒否したところなど、かつてない驚異的な役作りで精神面、肉体面の両方から主人公を熱演したのです。