アニメを実写化した映画「美女と野獣」は、2014年に公開されたものと、2017年に公開されたものとがあります。
2014年版と2017年版の違いですが、2017年版は、1991年に制作されたディズニーの長編アニメーションを「完全実写化」。
2014年版は、フランスとドイツ合作のボーモン夫人原作の民話が忠実に再現されています。
なので、2014年版を見た人たちから「ディズニーとは別物のストーリー」、「裏切られた気分になった」と酷評される羽目に。
結局、2014年版はあらすじが違う為、ディズニーの「美女と野獣」と掛け離れた作品になっているというわけです。
では、2014年版と2017年版を別作品として見た場合はどうでしょう。
その場合、2014年版は「映像がとても綺麗で、美女と野獣の世界にどっぷりとはまった」など、評価は上々。
やはり、最初からあらすじが違うということを頭に入れて、見たほうが良さそうです。
なお、2017年版「美女と野獣」のキャストは、『ハリー・ポッター』シリーズのハーマイオニー役で人気を博したエマ・ワトソンが、主人公のベル役。
イギリスの俳優ダン・スティーヴンスが、野獣役を演じています。
登場人物の吹き替え声優は、女優の昆夏美がベル役を担当。
ミュージカル俳優の山崎育三郎が野獣役を演じています。
一方、2014年版のキャストは、フランス女優のレア・セドゥがベル役を演じ、声優の渋谷はるかが吹き替えを担当。
映画『ブラック・スワン』のヴァンサン・カッセルが野獣役を演じ、俳優の山路和弘が吹き替え声優を務めています。
ちなみに、野獣役を演じたヴァンサン・カッセルの当時の年齢は47歳で、ベル役のレア・セドゥとは、19歳の年齢差がありました。
2014年版の美女と野獣は、かなり歳が離れていることにも注目された作品なのです。
そこで今回は、「美女と野獣の実写がひどい」と言われている原因などについてまとめてみました。
美女と野獣の実写の吹き替えがひどい
2017年の実写「美女と野獣」は、アニメ版に登場したすべてのミュージカル・ナンバーを起用し、新曲を3つ加えてあります。
衣装も同じデザインを再現し、美女と野獣がダンスをするシーンなどは、カメラワークまで同じ。
ただし、作品を見るなら日本語吹き替え版よりも、字幕版の方をオススメします。
と言うのも、2017年の日本語吹き替え版は、声優がひどいし最悪です。
特に、野獣役を演じた山崎育三郎の声に迫力がないので、まったく怖さを感じさせません。
他にも、ポット夫人役に歌手の岩崎宏美を起用するなど、プロの声優を使っていないため、出来は最悪。
ひどいのが目立っています。
美女と野獣の実写版 2014年と2017年の違い
これまでにもアニメや舞台、映画など、様々な形で表現されてきた「美女と野獣」。
2014年に実写化された映画と、2017年に実写化された作品とでは、かなり違いがあることは説明しました。
そこでまず、2014年版ですが、あらすじは「野獣によって城に閉じ込められたベルが野獣と恋に落ち、城にかけられた呪いを解く」
ここまでは、ディズニーの原作アニメ版と一緒。
ところが、1740年に書かれたボーモン夫人原作の民話が描かれているのです。
それに2014年版は、これまでの作品の中には無い「秘密に迫ったストーリー」になっています。
「なぜ王子は野獣に身を落としたのか?」、「いったい、どれほどの罪を犯してしまったのか?」
一方、野獣の隠され続けてきた過去にスポットを当てた2014年版と違って、2017年版はディズニーのアニメを忠実に実写化。
アニメ版同様に歌あり、踊りありのミュージカル調の物語に仕上がっているのです。
美女と野獣の実写版 キャストと吹き替え声優一覧
2014年の実写版「美女と野獣」は、ディズニーアニメの作品と違って、かなり大人な雰囲気で作られています。
しかも、最近のCG効果もあって、映像が非常に綺麗です。
ベルのドレスが綺麗なことやベルが城の中を歩き回るシーンなど、見どころがたくさんあって、アニメと別物として見た場合は中々の評価。
また、「ストーリーは微妙」との声が多く、映像が綺麗だけだと厳しい評価を下す声があるのも事実です。
キャストに不満を持つ人も居たのですが、ヒロイン・ベルは、超豪華キャストが名を連ねるウェス・アンダーソン監督作の『グランド・ブダペスト・ホテル』にも出演するレア・セドゥ。
野獣をフランスの俳優、ヴァンサン・カッセルが務めています。
その他のキャストや吹き替え声優一覧については、以下の通りになります。
※2014年版
■ベル― レア・セドゥ/渋谷はるか
■野獣、王子-ヴァンサン・カッセル/山路和弘
■モーリス(ベルの父)-アンドレ・デュソリエ/塾一久
■ペルデュカス-エドゥアルド・ノリエガ/斉藤次郎
■プリンセス-イボンヌ・カッターフェルト/甲斐田裕子
■アストリッド-ミリアム・シャルラン/早川舞
■アンヌ-オードレイ・ラミー/水野ゆふ
■クロチルド-サラ・ジロドー/斎藤恵理
■ジャン=バチスト-ジョナサン・ドマルジェ/小林親弘
■マキシム-ニコラス・ゴブ/田村真
■トリスタン-ルカ・メリエヴァ/須藤翔
※2017年版
■ベル― エマ・ワトソン/昆夏美
■野獣、王子-ダン・スティーヴンス/山崎育三郎
■モーリス(ベルの父)-ケヴィン・クライン/村井國夫
■ガストン-ルーク・エヴァンス/吉原光夫
■ル・フウ-ジョシュ・ギャッド/藤井隆
■アガット、魔女-ハティ・モラハン/戸田恵子
■コグスワース-イアン・マッケラン/小倉久寛
■ポット夫人-エマ・トンプソン/岩崎宏美
■ルミエール-ユアン・マクレガー/成河
美女と野獣の実写版 2014年のあらすじ
美女と野獣は、魔女の呪いによって野獣の姿に変えられてしまった美しい王子と、一人の少女ベルとのラブストーリー。
呪いによって醜い野獣の姿に変えられてしまった王子と、王子の前に現れた娘の運命を描いています。
そんな美女と野獣の2014年版のあらすじは、以下の通りです。
ベル(レア・セドゥ)は、6人兄姉の末っ子として育った優しく聡明な女性。
船の難破事故のせいで父(アンドレ・デュソリエ)が破産してしまい、一家で田舎に引っ越してきた。
ある日、すべてを失った父は雪深い山の中で迷い、ある古城にたどり着く。
誰もいない城の中で食べ物や飲み物、装飾品の数々を見つけた彼は、ついそれらに手を伸ばす。
さらに、ベルのお土産にと庭に咲いていた美しいバラを手折ると…。
その瞬間、城の主である野獣(ヴァンサン・カッセル)が姿を現し、バラを盗んだ罪の代償として命を差し出せと宣告する。もし逃げたら家族を殺すとも…。
1日の猶予を与えられ自宅に帰った父は家族にすべてを打ち明けた。
ベルは、自分に責任があると感じ、父の身代わりになることを決める。
たった一人で城に到着した彼女を迎えたのは、豪華なドレスと贅沢な食事。
ベルは自分の命と引き換えに家族を助けてほしいと野獣に訴えるつもりだったが、野獣は何故か、毎日夕食を共にすることだけを要求し…。
引用元:金曜ロードシネマクラブ