メガマウスザメという深海魚をご存知でしょうか?
「メガマウスザメ」は、太平洋やインド洋などの熱帯から温帯の水深200m付近に生息する魚で、昔から地震の「前兆」と「予知」に関係性があると言われています。
また、「メガマウス」はサメの一種でもあるのですが、食べることもできるといい、実際にフィリピンで捕獲された際には、地元民に食べられていたことが判明しています。
そこで今回は、地震の前兆と予知に関係性があると言われている「メガマウスザメ」について、少し探ってみたいと思います。
メガマウスザメは地震の前兆や予知と関係?
巨大な口をもつ「メガマウスザメ」は、その容貌に由来し、日本では古くから「大口鮫」と呼ばれていました。
初めて発見されたのは、1976年だとか。
これまでに世界で50件ほどの目撃例だけですが、そのうちの10数例は、日本近海で発見されています。
そして、「メガマウスザメ」にも言えることなのですが、珍しい深海魚が打ち上げられたり捕獲されると、その前後に地震が起きると言われています。
専門家は、地震の「前兆」と「予知」に関係性があることを否定していますが、実際にこれまでに「メガマウスザメ」が出現した後で大きな地震が起きているのです。
■ 1994年11月29日:福岡市東区の砂浜→1995年1月17日:兵庫県南部地震(阪神淡路大震災、M7・3)
■ 2003年8月7日:静岡県沼津市御前崎沖の駿河湾→2003年9月26日:十勝沖地震(M8・0)
■ 2005年1月23日:三重県度会郡紀勢町沖→2005年3月20日:福岡県西方沖地震(M7・0)
■ 2007年6月7日:神奈川県湯河原町沖の相模湾→2007年8月1日:沖縄県北西沖(M6・1)
■ 2011年1月14日:三重県尾鷲市沖→2011年3月11日:東北地方太平洋沖地震(東日本大震災、M9・0)
■ 2011年7月4日:神奈川県小田原市→2011年7月10日:三陸沖(M7・3)、2011年8月2日:駿河湾(M6・2)
■ 2013年9月3日:神奈川県真鶴町→2013年10月26日:福島県沖(M7・1)
■ 2014年4月14日:静岡市清水区・由比漁港→2014年5月5日:伊豆大島近海(M6・0)
お分かりのように大変な被害となった「阪神淡路大震災」や「東日本大震災」が起きる前にも、「メガマウスザメ」が捕獲されていることから、地震の前兆や予知との関係性を否定するわけにはいかないのです。
熊本地震の前震があった次の日にメガマウス捕獲
4月14日に熊本地方を震源とする「M6・5」、最大震度「7」を記録した熊本地震は、前震に訂正されました。
ところが、翌日の15日、三重県尾鷲市の尾鷲漁港で「メガマウスザメ」が水揚げされ、話題になったのです。
そして、メガマウスが水揚げされた日の深夜、再び熊本地方を震源とする「M7・3」、最大震度「6強」の地震が発生。
気象庁は、こちらの地震が本震で、前日の地震は前震として訂正したのです。
今回も「メガマウスザメ」が捕獲された後に、大規模な地震が発生していました。
ただ、これまで「メガマウスザメ」が捕獲されても、地震が起きるまで、日にちが多少空いていたこともあります。
今回は当日に地震が起きたことを思うと、まだこの先に大きな地震がやってくる可能性がありそうです。
メガマウスザメは食べることが出来る深海魚?
深海魚の「メガマウスザメ」は、一応食べることが出来るそうですが、やはり肉質は水っぽくて、不味いといいます。
昨年は1月にフィリピンで捕獲された際、ココナッツミルクで味付けして食べられていましたが、日本では不味いので、食用としては不向きとされています。
やはり深海魚というのは、総合的に見ても「水っぽい」、「不味い」というのが定説になっているので、食べることができてもあまり食べないようです。
ザトウクジラも地震の前兆や予知と関係?
熊本県天草市の島原湾で、全長8メートルの「ザトウクジラ」がかかっているのを、地元の漁業関係者が発見しました。
発見されたザトウクジラは、すでに死んでいたそうなのですが、有明海でクジラが確認されること自体、非常に珍しいということです。
また8日には、長崎市大籠町の砂浜に、体長7メートルのザトウクジラが打ち上げられているのが発見されていたのだとか。
偶然にも、「熊本地震」の起こる前に、2度に渡るクジラの座礁(ざしょう)が確認されていたのです。
これまでに「クジラ」や「イルカ」の打ち上げ後に、大地震が発生していることが多々あるも、科学的根拠は証明されていません。
しかし、地震の予知として注目されているのも事実。
今回の熊本地震も、クジラの座礁後に発生してしまったのです。
東日本大震災の前もイルカの座礁が発見される
2011年3月4日、茨城県鹿嶋市の下津海岸で、52頭のイルカが打ち上げられているのが見つかっています。
打ち上げられていたのは、イルカの一種、「カズハゴンドウ」で体長2~3メートル、体重が約300キロ。
その中で約20頭が生存していたそうです。
この時も専門家は、以下のように指摘していました。
「確かに集団座礁の後には震度5~6クラスの地震は起きている。だが地震大国ですから座礁が起きなくても地震は頻発している。関係が全くないとは言えないが、前兆とまでは言い切れない」
結局、イルカが打ち上げられた1週間後の3月11日に「東日本大震災」が発生。
やはり、このときのイルカは、地震の予知をしていたのかもしれません。
イルカやクジラの座礁後に発生した他の地震
・2001年3月24日、広島県南部を震源とする「芸予地震(M6.4)」が発生する2週間前には、鹿児島県で171頭の「カズハゴンドウイルカ」が集団座礁しているのが見つかっています。
・2006年4月30日、静岡県伊東市富戸沖を震源とする「伊豆半島東方沖地震(M5.8)」の前にも、千葉県で1月に「カズハゴンドウイルカ」が26頭。
2月に67頭が打ち上げられていました。
・2011年2月22日、ニュージーランドのカンタベリー地方で発生した「クライストチャーチ地震(M6.1)」の2日前には、南部スチュアート島の浜辺に、107頭もの「ゴンドウクジラ」が打ち上げられています。
この地震は、「クライストチャーチ大聖堂」が崩壊し、日本人も被害に遭っていました。
結局、これらの記録は結果論であり、必ずイルカやクジラの座礁後に、地震が発生しているわけではありません。
クジラやイルカが打ち上げられるのは、「潜水艦等のソナーで方向感覚を失ったり」、「エサを追いかけ、浅瀬に迷い込んだり」などの説が有力だとされています。